ここ数ヶ月、私事で更新もなかなかできませんでしたが、また改めて宜しくお願いします。
先々月の半ばに義父が永眠したのですが、その期間で体験し学んだ事を少し書こうと思います。
義父は三年前に余命宣告され、それでも前向きに自分のからだと向き合ってきました。
義父は、妻と付き合っている頃から知っていて、とても視野が広く先の見える人物でした。仕事においてもその能力を発揮し、言う事は厳しかったが的確で周りからの信頼も厚い人で、尊敬する人生の先輩の一人でありました。
その人間性の素晴らしさは亡くなる二週間程まえの義弟の結婚式でも変わらぬものでした。
本人は車椅子に乗りからだには管をつなぎ、医師の付き添いのもとの参列となりましたが、そのような状態でも常に周りに気を配りその言動からは病人と言う事を感じさせませんでした。一人一人に挨拶し感謝し、弟の立派な姿を目に焼き付け暗黙の会話をした後途中退席。
僕は当日義父にカメラマンを頼まれていたのですが、広く深い大きな想いに圧倒されファインダー越しに感動し涙を流していました。とても大切な人生の一コマをこの日見ることができました。
その翌日から、僕に施術をして欲しいと・・・
それは、自分の余命を感じてのことかもしれません。
これが、僕の義父へ対する最初の施術でした。
それからは、仕事以外の時間はなるべく病院通いました。
そこにあったのは心と心の対話でした。自分で動くことも厳しい状態、からだも浮腫みが広がっている状態。
僕ができたのは心が求めてる動きを、内なる動きを聞き分け動かしてあげる事。
本人のからだが、心が、意識が、無意識が本当に求めている事は何か？
それを僕自身が聞き分ける事に集中しました。
するといつもより鮮明に感覚をききわけました・・・
僕は思わず「ここだ」と声にだしてしまったのです。そも場にいる家族も驚いたのですが、僕の声と同時に義父が今まで聞いた事もないような心に浸透するような声で
「気持ちいい〜」と言っていたのです。声は小さいですが、響き渡る声・・・
僕自身、からだを通しての本当の対話とはこう言う事なんだと学びました。
相手の意識、無意識が感覚として自分に流れこみ、からだが何を望んでいるのかを教えてくれるのです。
僕はこの時から義父との意思の疎通がより鮮明にできるようになり、それ以来、多くの時間で僕が触れる事を求めてくれました。『そこに言葉はいらない』そんな空間でした。
そして「ようやく心からわかりあえたよ、そして、最高の施術だったよ、お前の感覚に従い進んでいきなさい」と言う言葉を言ってくれました。
そも後、意識をなくしてからも、肩甲骨を使って非常に小さな動きでしたがからだの造りを表現していました。
『からだは無意識に学ぶ』のですね。
この短期間で自分が目指す物、そして自身が心から尊敬できる人間性というものを学ぶ事ができました。広く大きな心。だからこそ感じる厳しさ。想いのこもった本人の心からの言葉は心の奥に響いてきます。
この場を借りて、
本当に最期の最期まで色々な教えをありがとうございました。
ゆっくりと休んでください。
普段も一人一人の方と向き合い、感じ、聞き分け診させて頂いていますが、更に向き合い方として大きくなれました。
一部分だけでなくからだを一つとして診る。そして、心や周囲の流れも感じ一つとして聞き分ける。頭だけではなく、体験したから気づけた事です。臨床だけでなく人とは何か？生かされているとは何か？また少し学ぶ事ができました。今後の気付きも楽しみです。
そういった経験も通して、新たに「変化・進化・深化」するという意味も込めて・・・
環境も変え、屋号も変更する事になりました。
新しい屋号は日々思案中です！！
それまで暫くお待ち下さいませ！
あ、ご予約は普段どおり受け付けておりますので、宜しくお願いしますネ（笑）
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